祖父がARTレンズを生やせと言った(ようなものだ)
EOS KISS X7 × YONGNUO YN50mm F1.8(たぶん)f4.5 1/25 ISO3200 |
4月の末にSIGMA 30mm F1.4 DC HSM ARTが生えてきた。
数年前から欲しがりつつ後手になっていたレンズだ。
そんなレンズが生えてきた理由は去年に祖父が亡くなって思うところがあったから。とどのつまり、変わりゆく大事な人やものをきれいに残したいという気持ちがこれまでより強くなるに至ったということになる。
たぶんSONY Xperia Z3かZ4 Exif情報なく詳細不明 |
Exifがないから気になってFacebookを見てきたら2014年8月20日にアップロードしているらしい。はじめからモノクロで撮っていたわけではなかった。逝去してからFacebookに保存していたものを引っ張り出してきて、自分の気持ちを昇華するようにモノクロにしたのだった。そんな時系列だったことを今思い出した。
撮影機材は確かカメラでもなくて、スマートフォンのXperiaZ3だったかな。
とにかくSONYのやつだったはずだ。
この写真の祖父は声を上げて笑っている。僕の手渡したサングラスをかけてチェックのシャツを着た自分がモダンで愉快だったらしい。
祖父は記憶もないくらいに幼いころに父を亡くした。少年時代に戦争を生き抜き、戦後に3人の子に恵まれるも妻を早くに失った。まさに昭和を懸命に駆け抜けたありふれた苦労人のうちの一人だったがとにかく明るくて優しかった。
そんな祖父の人柄がよく出ている一枚だと思う。小さな小さなセンサーで撮れた自身最高のポートレート。この写真が撮れていて本当によかった。
恐れるな。急げ、迷うな。買うんだ。
この写真が撮れていて本当によかった。が、一方でもっといい写真をたくさん撮っておくことができたらよかったのに。カメラをはじめるのがもっと早かったら。もっと早くいいカメラやレンズを買っていたら、と思ってしまうのも事実だったりする。EOS KISS X7 × SIGMA 17-50mm F2.8 1/60 ISO800 |
結局のところ、被写体に老い先短い祖父母や成長の早いこどもが含まれるのならば欲しい機材はさっさと買うべきなのだ。時間は巻き戻せないし、今を起点としたときに一番早いチャンスはやはり「今」なのだ。
だから、僕はそう思えたとき、身近な人やその気配つまりは愛おしいものを撮るためのレンズを購入した。それがこのレンズだ。そしてこのレンズは本当に買ってよかったと思えている。
今回の記事に30mm F1.4の作例はないけれど、改元の10連休などを経てそれなりに使ってきているのでゆっくりブログにも載せていこうと思う。
同志、恐れるな。急げ、迷うな。
買うんだ。カメラを。そしてレンズを。
0 件のコメント :
コメントを投稿